というか多分こっちがまず最初に見るところだろうから。
約束破っただの破ってないだのは関係無い。
どうしてそこまで死にこだわる?
というかそこまでするならいっそのこと死んでしまえと。
そう呟くオレがいる。
そう囁く「悪」がある。
「死者は語らない」って前に欠片に書いたけど今まさにその状態じゃないか。
今のあの人は死者同然。
(一番危険だったときの)オレよりひどい。
そこに広がる闇はどれほどのものか。
触れた箇所から全身を侵食し、深淵へと引きずり込む。
紅い、血のようなどろどろとした闇の中。
オレの蒼く、突き刺すような痛みさえ感じる極寒の闇とは違う。
結局オレはあの人を理解していなかったんじゃないか。
いや、理解したつもりだと自分を偽り続けてきた。
理解?そんな簡単な言葉でくくれるものじゃない。
近くにいながら遠く、正反対の闇を持つ存在。
手を伸ばしても届かない。
逆に引き離される。
「ここはお前が来るところでは無い」とでも言いたいかのように。
ダメだよ。こんな形で終わりたくないよ。
勝手に凍結するなんて言わないでよ。
元に戻してよ。
辛いことは多いかもしれない。
絶望だってするかもしれない。
それでも、オレは闇にとらわれたその手を掴みたいんだよ。
できるのならその闇を代わりに背負いたいよ。
自己満足の自己犠牲だってことくらい分かってる。
でも、周りが不幸になるというのなら。
その闇はオレが背負いたい。
背負った闇に呑まれても構わない。
たとえそれで命を落とすようなことになっても構わない。
そう、思ってるのに。
手首に爪跡だけが残っていく。
手が、目が自然と刃物を求めて彷徨う。
・・・あんまりいい状態じゃないな。
回復期に入ってると思ったのに。